2026.05.25
インタビュー
vol.16「梅雨」
5月下旬〜7月上旬頃、春から夏への季節の変わり目で、曇りや雨の日が多くなる時期があります。北海道と小笠原諸島を除く日本や東アジア特有の気象現象で、これを「梅雨」といいます。このほかにも、梅霖(ばいりん)や、旧暦5月頃に由来する五月雨、麦の実る頃に由来する麦雨(ばくう)などの別名を聞いたことがあると思います。この時期に注意することとして、まず挙げられるのが食中毒です。有害・有毒な細菌やウイルス、自然毒、化学物質などが付着・混入した食品を食べることで引き起こされます。また、温度20〜30℃、湿度60〜80%の高温多湿の環境では、カビやダニが発生・繁殖しやすくなります。隠れ熱中症などにも注意が必要な時期です。さらに、お米にとっても注意が必要な季節です。収穫から半年以上が経過し、お米そのもののポテンシャルが下がってくる時期でもあり、保管場所や状況によっては品質低下がはっきりと現れてくることがあります。一昔前のお米の保存方法は、米袋のままで直射日光・高温・多湿を避け、北側の使っていない部屋や倉庫、床下、玄関などの涼しい場所で保管する方法でした。また、調湿・防虫効果があるといわれる桐の米櫃に移し、涼しい場所で保管する方法もありました。さらに、お米の中に虫よけとしてニンニクや唐辛子を入れることも行われていました。しかし現在では、スーパーやお米屋で購入するだけでなく、産地からお米をもらったり、ネット通販、産地直送、ふるさと納税などでお米を購入することも増えています。その場合、一度に多くのお米が届き、ご家庭で長期間保存しなければならないこともあります。しかし現在の住宅環境では、直射日光が当たらず、温度や湿度が低く一定に保たれる場所というのは、ほとんどありません。お米を暑くなる場所、風通しが悪い場所、蒸れやすい場所などに置いておくと、近年のお米は農薬使用量が最小限であるため、ほぼ確実に虫が発生してしまいます。たとえ虫が湧いてしまった場合でも、日陰で紙の上にお米を広げ、半日ほど放置してから虫や巣を取り除き、よく研いで炊けば食べることは可能です。しかし虫が発生するような環境に置かれていたお米は、品質や味が確実に落ちています。また、高温多湿の場所で保存すると、お米にカビが発生することもあります。お米に発生するカビは、アスペルギルス属やペニシリウム属などのカビが繁殖したものです。表面がピンク・オレンジ・グリーン・ブルー・ブラウン・グレー・ブラックなどに変色したり、独特の湿ったカビ臭がしたりします。また、見慣れないベタつきや塊ができることもあります。さらにカビの中にはカビ毒を生成するものもあります。お米に発生したカビは熱に強く、炊飯しても死滅しないため、食中毒やアレルギーの原因になることがあります。少しでもカビのように見えるお米は、食べずにすべて破棄してください。お米は生鮮食品のため明確な消費期限はありません。しかし、常温でお米がおいしい状態で保存できる期間の目安は、冬は2か月、春・秋は1か月、夏は2週間程度といわれています。とはいえ、現在のお米の買い方や食べ方では、この期間内に食べ切ることは難しい場合もあります。そこで現在、最も良い方法として提案されているのが「冷蔵庫での保管」です。毎回食べる分だけ(〇合)に小分けし、密閉できるチャック付き袋(ジップロックなど)に入れます。空気を抜くようにしながら封をし、冷蔵庫の野菜室の底に敷き詰め、その上に野菜などを置けるようにして保管します。この方法での保存期間は、本当は2か月以上と言いたいところですが、冷蔵庫の大きさやタイプによって差があるため、現在の目安は約1か月半程度とされています。冷蔵庫に入りきらないお米については、別の方法もあります。薄いビニール袋にお米を入れて輪ゴムなどで口を閉じ、その袋にフォークなどで多くの穴を開けます。それらを布団用の圧縮袋に平たく並べるように入れ、完全に空気を抜いて真空状態にします。日光の当たらない暗い場所であれば、常温でも約1年間保存することが可能です。
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