Vol.13「3月の行事とちらし寿司」
3月の年中行事といえば、多くの人が3日の「ひな祭り」を思い浮かべるのではないでしょうか。
あとは「ホワイトデー」でしょうか。
「ひな祭り」とは、女の子の幸福と健やかな成長を願ってお祝いするもので、七草・端午・七夕などと並ぶ、五節句のひとつ「桃の節句」(3月3日)を指します。
もともと「上巳(じょうし/じょうみ)の節句」と呼ばれ、3月最初の巳の日を意味していましたが、江戸時代に五節句のひとつとして定められたことで、女の子のための節句として定着したそうです。
「上巳の節句」が「桃の節句」と呼ばれるようになったのは、旧暦3月3日前後に桃の花が咲くこと、そして桃には魔除けの力があると信じられていたことに由来します。
災いが起こらず、幸福が得られるようにという願いを込めて、雛人形を飾るようになったのです。
ひな祭りでは、ちらし寿司・蛤のお吸い物・菱餅・雛あられ・桜餅など、縁起の良い食べ物をいただきます。
-地域によって異なる「ちらし寿司」-
年中行事の行事食は、地域ごとに具材の種類や呼び方、調理方法などに違いがあります。ちらし寿司も例外ではありません。
-西日本のちらし寿司(ばら寿司・五目寿司)-
酢飯に椎茸、高野豆腐、かんぴょう、れんこん、海老、油揚げなどを細かく切って混ぜ込み、上に錦糸卵や刻み海苔を散らします。
生の魚介類はあまり使わず、大皿に盛りつけて、みんなで分けて食べるスタイルが一般的です。
-東日本のちらし寿司(江戸前ちらし)-
酢飯には具を混ぜ込まず、その上にまぐろ・海老・蟹・蛸・帆立・雲丹・イカ・サーモン・いくらなどの魚介や、錦糸卵などを彩りよく並べます。
いわば「握らないお寿司」とも言えるスタイルで、一人前ずつ盛り付けるのが特徴です。
-ちらし寿司と海鮮丼の違い-
酢飯ではなく白飯を使ったものは、基本的に「海鮮丼」と呼ばれますが、最近では酢飯を使用することも多く、ちらし寿司との線引きはあいまいになりつつあります。
酢飯に合うお米とは?
酢飯に合うお米については、前回の「恵方巻き」コラムでご紹介しましたが、ここでも代表的な銘柄をご紹介します。
・北海道:ななつぼし
・青森県:青天の霹靂
・山形県:つや姫
・秋田県:あきたこまち
・島根県:きぬむすめ
ササニシキが含まれていないことに驚かれる方もいるかもしれません。
かつては寿司米として定評がありましたが、現在は希少米となり、差別化栽培によって柔らかく炊き上がるため、扱いが難しくなっています。
酢や具材を混ぜる際に米粒が潰れやすいなどの理由から、現在では推奨されなくなっているのです。
-普段のお米で酢飯を作るには?-
「酢飯用のお米をわざわざ買うのは大変…」という方もいらっしゃると思います。
そんな時は、普段お使いのお米(※低アミロース米は除く)で工夫して炊いてみましょう。
たとえばコシヒカリのような一般的なうるち米であれば、水加減をやや減らし(炊飯器の目盛よりやや下)、
炊き分け機能の「あっさり/しゃっきり/さっぱり」モード、もしくは「寿司米」モードに切り替えて炊飯してみてください。
なお、ゆめぴりかやミルキークイーンといった低アミロース米の場合は、さらに水加減を5〜10%ほど減らす必要があります。
ただし上手に炊くためには数回の試行が必要となります。
-精米機がある場合の裏技-
家庭用精米機をお持ちであれば、「白米」ではなく「8分搗き」に精米することで、低アミロース米であっても、うるち米のような食感になります。
水加減の調整も簡単になるので、ぜひ試してみてください。
-酢飯の冷凍はできる?-
ちらし寿司や酢飯の冷凍について、よくご質問をいただきます。
具材を混ぜたちらし寿司は、冷凍に適していません。
酢飯だけであれば冷凍可能という意見もネット上にありますが、筆者の経験からお伝えすると、食感・口当たり・風味の面で1ランク落ちてしまいます。
そのため「冷凍できない」と考えていただいた方がよいでしょう。
