2026.07.23

Vol.18「土用の丑の日」

今年の夏の土用の丑の日は、7月26日です。

土用の丑の日とは、立秋の直前約18日間の「土用」の期間中に巡ってくる、十二支の「丑の日」のことです。

鰻を食べる習慣は、江戸時代後期に始まったといわれています。
もともと丑の日には、「う」の付くものを食べる風習があり、古くは瓜やうどんなどが食べられていました。

そこに、夏場に鰻が売れず困っていた鰻屋から相談を受けた、 “日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ”とも評される平賀源内が、「本日丑の日」と書いた張り紙を出したことが始まり、という説が有力だそうです。

江戸時代は「うな丼」が主流だったそうですが、明治時代になると、冷めにくく出前に適した重箱が使われるようになり、「うな重」が広まったといわれています。

東西でのうな重の大きな違いは、調理方法です。
関東は「背開き・蒸す・身が柔らかくふっくら」という特徴があります。
一方、関西は「腹開き・蒸さない地焼き・皮は直火でパリッと香ばしい」という違いがあります。

そして、うな重は、重箱の中にふっくらと盛った白飯の上に、醤油・みりん・砂糖・酒などから作ったタレをさっとかけ、その上に、タレを塗りながら焼き上げた鰻の蒲焼きを乗せる料理です。

お好みで山椒・七味・柚子胡椒などを振ったり、万能ねぎ・三つ葉・おろし山葵・刻み海苔・大葉・茗荷などを添えたりして楽しみます。

つまり、うな重のおいしさには、鰻そのものだけでなく、白飯のおいしさや特徴も大切だということです。

もう20年以上前になりますが、マスメディアから「究極のうな重を作るために、全国からお米を探してほしい」と依頼されたことがあります。

その時の条件は、
「うな重の器に白飯を入れてタレをかけた時に、器の底までタレが流れ落ちず、一粒ごとに適度にタレを吸い込むこと。さらに、箸で鰻と白飯を一緒に持ち上げても零れ落ちない粘りがありながら、米粒には適度な張りと弾力があること。厚みのある鰻を乗せても米粒が潰れず、米粒同士の間にわずかな隙間が残り、白飯として甘すぎない甘さがあること」でした。

当時は、コシヒカリ・ササニシキ・あきたこまちの3大品種が人気の時代でした。
ほかの品種では条件に合うものが見つからなかったことから、最終的には、ある産地の硬めに炊き上がるコシヒカリを推薦した記憶があります。

ですが実際に、自分が最も推していたのは、炊き上がりに甘みと粒感のあるコシヒカリと、切れが良く弾力のあるあきたこまちを中心にした、4品種のブレンド米でした。

実食での評価も良かったのですが、「説明が難しくなる」という理由で却下されてしまいました(笑)。

最近では、ふるさと納税やお取り寄せなどで、希少な鰻を手に入れやすくなりました。
そのため、ご家庭でうな重を楽しむ機会も増え、うな重に合うお米を探す方も多くなっています。

とはいえ、普段から食べ慣れているお米や、炊き慣れているお米を使いたいと思う方も多いでしょう。
そこで、その場合の対処方法をお伝えします。

まずは、お米を研いだ後、ザル上げや浸水をせず、すぐに炊飯を始めること。

次に、普段のご飯がやわらかいと感じる場合は、炊飯時の水加減を少し控えめにしてください。
また、炊飯器の炊き分けモードを「もっちり」や「普通」ではなく、「あっさり」や「寿司米」に変更するのもおすすめです。

炊飯器の場合は、炊き上がった時点で蒸らしも終わっているため、すぐに蓋を開け、ふんわりとご飯をほぐしてください。

土鍋などで炊く場合は、蒸らし時間を13分程度にし、蒸らし過ぎないことがポイントです。

また、家庭用精米機をお持ちであれば、白米ではなく「8分つきモード」に変更してみてください。

とはいえ、高価な鰻ですので、いきなり本番で試すのは少しハードルが高いかもしれません。

まずは親子丼など、身近な丼物で試してみて、問題がないことを確認してから、ぜひおいしいうな重を楽しんでください。