2025.02.27

「五つ星 お米マイスター」西島豊造氏に聞く お米の知識 Vol.2

vol.2 「ひな祭りのちらし寿司」

 毎年33日の「ひな祭り」は、女の子の幸せと健やかな成長を願ってお祝いする日で、旧暦の33日は、桃の花が咲く季節にあたるため「桃の節句」ともよばれます。


家の中にひな人形と桃の花を飾って、女の子の無病息災と幸せな成長を願い、ちらし寿司やハマグリのお吸い物・ひなあられ・菱餅・桜餅等を囲んで、家族や親戚とお祝いする日ですが、近頃では春らしいケーキやスイーツ等も加わり、家族や親戚にお友達なども加わり、より華やかにお祝いする日にもなっています。


古くからお寿司は「寿」を「司る」という漢字を用いる事もあり、お祝い事にはお寿司を食べる習慣がありましたが、中でも、長寿や子孫繫栄等と縁起の良い意味が込められている海老・レンコン・錦糸卵・絹さや・椎茸・干瓢・マグロ・サーモンイクラ等、沢山の具材を乗せたちらし寿司は、美味しいだけでなく、見た目も華やかなために、女の子のお祝いであるひな祭りで食べるようになったようです。


では、ちらし寿司に合うお米とは、どんな特徴を持っているのが良いのでしょうか。

品種でいうと、北海道ななつぼし青森県青天の霹靂秋田県あきたこまち山形県つや姫長野県風さやか・島根県きぬむすめ等が良いと思います。

特徴は、大粒である事。粒の大きさが揃っている事。粘りが強くない事。米粒同士の切れが良い事。柔らか過ぎない事。米粒が潰れにくい事。甘みが強すぎない事。具材の味を邪魔しない事です。

そして、お米は研ぎすぎないように素早く1分半から3分以内に終わらせ、ザル上げは絶対にせず、浸水時間が必要な場合でも20分程度にして、炊いて下さい。


寿司飯は、炊き上がったばかりの御飯を、すし桶や底の広いバットやフライパン等に移して、均等に広げてからお酢を振りかけ、ご飯粒を潰さないように、一粒一粒を切り離すようなイメージで、素早く切るように混ぜ合わせ、全体が寿司酢をまとって艶やかになるまで混ぜてから、寿司飯を広げて団扇などで冷やし、表面の熱が取れたら杓文字で上下を返して、全体が人肌ほどの温度になるまで冷まします。


寿司飯用に家庭用精米機で精米する場合、いつも食べているお米が粘り強いと感じるのであれば、精米レベルを白米ではなく、8~9分搗きにすると、いつもよりは粘りを抑えられますし、米粒感を少しだけ強くする事が出来るため、喉越しのよい寿司飯にする事が出来ます。

もしも精米後のお米に割れている米粒が多いと感じる場合は、ご家庭にある金網のザルにお米を入れて、左右に振るって小米を除去すると良いでしょう。