新米VS古米

精米機で再精米できる時代。各産地から新米が続々と届く季節になると、売り場には新米と古米が並びます。
そのため、注意せずに購入すると、「新米を買ったつもりが古米だった」など、間違えてしまうこともあるかもしれません。
新米は、その年に収穫されたお米のことで、鮮度が良く、炊き上がりはみずみずしくツヤツヤ。
甘い香りが漂い、食感はやや柔らかく、粘りもやや強めに感じられます。
一方で古米は、収穫から1年以上経過したお米のことですが、今回の「令和の米騒動」によって、ご家庭にはさらに前のご家庭には、「古古米」「古古古米」「古古古古米」が残っていることもあるかもしれません。
古米はツヤがあってもみずみずしさがなく、ご飯の香りも弱め。食感はやや硬くパラパラ・ボソボソしがちで、粘りも弱く感じます。
また、保管状態によっては「古米臭」がしている可能性もあります。
新米を炊いたときに「柔らかいな」と感じたら、次回は水加減を少し減らしてみるとよいでしょう。
炊き上がったご飯にツヤがしっかり出ていれば、水加減を控えめにしても問題ありません。
逆に古米の場合、炊飯器によっては炊く前に1時間ほど浸水させてから炊いてみてください。
それでもツヤが出ず、食感も悪いと感じる場合は、水加減をやや多めにすると欠点がやわらぐかもしれません。
時間が経過した古米には「古米臭」が出てくることがあります。
これは、お米の表面に残った米ぬかの脂質が空気中の酸素と反応して酸化し、ぬか臭さや酸化した油のような独特の匂いを放つためです。
古米臭は、米を強めに研ぐことである程度軽減できますが、完全には消すことができません。
匂いをさらに軽減したい場合は、金網のザルに古米を入れ、網にこすりつけて表面を削り落とす、もしくは家庭用精米機の「再精米」機能を使って、酸化した表面を軽く均一に削ると、かなり改善されるでしょう。
それでも改善しない場合は、新米と古米を7:3、5:5、3:7などでブレンドして炊いてみてください。
古米の欠点がやわらぎ、食べやすくなります。
温暖化などの影響もあり、新米の出来は年ごとに違います。そのため、いつも同じ産地・品種を選び続けると、味が好みに合わない年があるかもしれません。
新米が出るたびに、産地や品種を見直すとよいでしょう。
その際は、できるだけ最小ロットで購入し、毎回違う産地や品種を選んで、前回のお米との違いを食べ比べてみてください。
粘り・柔らかさ・喉ごし・甘さなど、自分の好みに合ったお米を見つけやすくなります。
なお、食べ比べをする際は、たとえ産地や品種が異なっても、研ぎ方・炊き方・水加減は同じ条件に揃えることが大切です。
基準がバラバラだと、お米の違いが分かりにくくなってしまいますのでご注意ください。
