2025.06.13

「五つ星 お米マイスター」西島豊造氏に聞く お米の知識 Vol.5

梅雨シーズンのお米管理術&おいしく炊くポイント

 ご家庭でのお米の保管は、直射日光を避け、風通しが良くて涼しい場所で、臭いの強い物のそばには置かず、夏は30日、冬は45日を目安に消費すると良いと言われていましたが、お米は空気に触れる事で酸化していき劣化していくので、季節の移り変わりと共に鮮度・品質・食味は落ちるのは当然の事なのです。
それを防ぐためには、一年を通じて15度以下の低温保管が最適なのですが、ご家庭ではそのような場所はありませんので、似た環境である冷蔵庫の野菜室での保管をお薦めしています。
常温保存では、20度以上で虫が繁殖しやすく、湿度が70%以上でカビが生えやすくなります。
かつて虫は梅雨以降から繁殖していましたが、エアコンの普及により、一年を通して虫は発生しています。
唐辛子やニンニクを入れると虫よけになるとも言われていますが、唐辛子とニンニクは旬の鮮度が必要で、お料理用の乾いた物では効果が無いようです。
虫であれば、虫と巣などを除去する事で、お米を食べる事は出来ますが、カビの場合は食中毒を起こす可能性もあるため、カビが生えた袋ごと全て処分するしかありません。

 お米の劣化を防ぐためには、毎回炊く量に小分けして、チャック付きの食品保存袋に、なるべく空気を抜くように絞りながら小さくして、冷蔵庫の野菜室の底に敷き詰めるようにして保存します。
市販されている米びつ等だと野菜室で大きな場所を取り過ぎますし、ペットボトルだと、お米を取り出す時にボトルを振らなければならないのですが、その際にお米に深い傷が入ったり割れてしまう事があるので、現在では、チャック付きの食品保存袋が最も有効だと思います。

 冷蔵庫の野菜室での保存は、白米でも玄米でも同じですが、玄米を冷蔵庫保存していて、食べる分だけを精米する場合は、冷たいまま精米してしまうと、お米が冷えて硬くなっているため、精米時に割れてしまう事があるので、冷蔵庫から出して、冷たさが弱くなってから精米してください。
お米を研ぐ時は、わざわざ常温に戻さず、冷たいまま研いで、炊く時は冷たいお水を入れて炊いて下さい。それにより、粘りと甘味が強く出てきます。
無洗米の場合は、炊飯器の無洗米モードを使って炊いても、粒感を硬めに感じたり、甘味を弱く感じる場合は、冷たいお水を入れて、最低1時間は浸水させてから炊いてみてください。
しっかり浸水させたことで、米粒ごと芯まで給水されているので、ふっくらと炊き上がると思います。